65
人から貰った鍵ばかり増えて、ジャラジャラいわせて歩いているけど、扉もめったに開けられないし、開いたとしても幸せそうな誰かが既に住んでいる。
64
弾頭にぎっしりと花の種を搭載した最終兵器が、敵国の中心部に向け発射された。
63
新しい何かが産声を上げた場所の上に廃墟は立ち続け、周辺住民は怖くて地下室に行けない。
62
三面記事に潜り込み未来を探していた男が、さっきからずっと余白を見つめている。
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村中に付箋を貼り終えた少年は、鞄に入りきらないほどの白紙のノートを詰め込んで、振り返りもせず、消しゴムを放り投げて出て行った。
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別れ話をしていた夫婦をキャラメルの箱の中に入れてみると、ずっと見つめ合ったままなかなか出てこない。
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コンセントの穴に対人関係の悩みを一晩中聞いてもらっていた、という風な顔で通勤電車に乗り込む大勢の人達の手にも、吊革は平等に用意されてはいなかった。
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星空を愛する木こりが今宵、街灯の前に立つ。
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昨日彼は何かを取りに来て、取りに来た何かが何だったかを思い出せずに終わったが、今日はそれを取りに来て、それが何か分からないまま取って行った。
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ベルトコンベヤーに乗って製品化された代わりの物が次々に配送されていく。